TNF受容体関連周期性症候群
TNF receptor‒associated periodic syndrome (TRAPS)
概要・特徴:
TNFRSF1Aを疾患関連遺伝子とし、常染色体優性遺伝形式にて発症する周期性発熱症候群である。典型例は幼児期に発症し、3日間から数週間と比較的長い期間にわたる発熱発作を平均5~6週間の間隔で繰り返す。随伴症状として筋肉痛、結膜炎や眼周囲の浮腫などの眼症状、腹痛などの消化器症状、皮膚症状などがみられる。皮膚症状では、圧痛、熱感を伴う体幹部や四肢の紅斑が多く、筋肉痛の部位に一致して出現し、遠心性に移動するのが典型的とされる。TRAPSの浸透率は70~80%であり、家系内に同一変異を有しながらも無症状のものが存在し、重症度のばらつきも認められる。このため、家族歴が明らかでないということのみで本症を否定できないことを留意する必要がある。本症の生命予後を決定する合併症はAAアミロイドーシスであり、約15%の患者に認められる。
TRAPSの診断フローチャート

TRAPSの治療
| 基本治療 | ⾮ステロイド抗炎症剤(NSAIDs) 発熱、疼痛の緩和に一定の効果が期待される。 発作時間欠的ステロイド投与 発作早期にPSL:1mg/kgの朝1回の内服により開始し、症状をみながら減量して7〜10⽇間で終了する方法が推奨されている。 しかし発作を繰り返すごとにPSLの効果が減弱し、増量が必要となったり、依存状態となる症例が報告されている。 |
|---|---|
| 追加治療 | etanercept 成⼈症例においてetanercept:25mg×2/week が発作の予防、ステロイドの減量、および離離脱に有効であると報告されている。 Anti‒IL‒1 therapy anakinraおよびcanakinumabによる発作の消失例が報告されている。 |
| 留意事項 | 症例ごとに重症度の幅が広いため、症状に応じた薬物治療を開始する。患者の成⾧障害、発作時のQOLが保たれることを⽬標に治療薬を調整する。 |
